中国の輸出入銀行と国家開発銀行は先ごろ、ロシア天然ガス2位のノバテク(Novatek)が北極圏のヤマル半島で進めている液化天然ガス(LNG)プロジェクトに対し、120億ドルに上る期間15年間のクレジットライン(信用供与枠)を設定することで合意した。運営母体のヤマルLNGによると、各貸付限度枠は中国輸出入銀行が105億8,000万ドル、国家開発銀行が15億ドルとなる。
ヤマルLNGのコート総裁は、今回の合意により今後は株主から資金調達をせずにプロジェクトを進められると述べた。同プロジェクトに対しては、2015年中にズベルバンクおよびガスプロムバンクが41億ドル、国家ファンドの国民福祉基金が23億ドルの貸付を行うことで合意している。
ヤマルLNGプロジェクトは、南タンベイスコエガス田に隣接するサベッタ港に1,650億トンの年間生産能力を持つLNG基地を建設するというもの。3基の液化トレインの他、ガス輸送用パイプライン、ガス井、ガス回収システム、港湾施設などを整備する。2017年の生産開始と、21年のフル稼働を目指している。
同プロジェクトの権益はノバテクが50.1%、仏トタル及び中国石油天然ガス集団(CNPC)がそれぞれ20%を保有する。残りの9.9%は2014年に中国政府が設立したシルクロード基金が持っている。