露、北方四島を含む極東の土地を無償で貸与する法案が成立

ロシアのプーチン大統領は3日、極東地方の土地を国民に無償で貸与する法案に署名した。同法案により1人当たり最大1ヘクタールまでの土地を5年間貸与することができる。実際に農業など土地の利用が確認されれば、5年後以降も借用を継続するか、個人で所有することが可能だ。適用範囲は西部のサハ共和国からロシア最東端のチュコト半島、南はサハリンや北方四島が含まれる。土地を貸与することで住民を増やし、同地方で進む人口流出に歯止めをかける一方で、北方四島におけるロシアの実効支配を強化する狙いがある。

極東地方では過去20年間で約200万人もの人口が減少した。一方で隣接する中国からの人口流入が続いており、政府は危機感を強めている。同法では取得した土地の外国人への転売を禁じている。

一方批判の声もある。プーチン大統領に近いクドリン元財務相は、今回の法案はポピュリスト的な計画であり、土地を取得してもインフラに欠けるため結果としてコストが高くつくことになると述べた。また現地紙『モスコーフスキー・コムソモーレッツ』も同法の効果については懐疑的な見方を示している。

同法は今年6月から地域を限定して実施され、10月からは地元住民からの応募を受け付ける。来年2月にはロシア全土の国民が申請を行えるようになる予定だ。

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