インフレ率が再びプラスに、5月は0.1%

ドイツ連邦統計局が30日発表した5月の消費者物価指数(CPI、暫定値)は前年同月比0.1%増となり、インフレ率は前月の同マイナス0.1%から2カ月ぶりにプラスの領域へと戻った。エネルギー価格の下落幅が前月の8.5%から7.9%に縮小したことが大きい。今年は物価の押し上げ効果があるイースター休暇が3月に早まったことで4月の物価が押し下げられており、5月はその反動でインフレ率が押し上げられたという事情もある。インフレ率は前月比では0.3%となり、前月の同マイナス0.4%から大幅に上昇した。

イースター休暇の時期は食料品や旅行関連サービスの価格が上昇するため、インフレ率が上がりやすい。同休暇が4月に当たった昨年は食料品やパック旅行の価格が同月に上昇。今年は3月に早まったため、4月のインフレ率は反動で低下した。その影響で4月のサービス価格の上昇率は前年同月比0.8%となり、前月の同1.6%から大きく縮小したものの、5月は1.2%と再び拡大へと転じた。

食料品は4月の0.5%から0%へと低下し、2カ月連続で下落した。

欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比がプラスマイナス0%、前月比が0.4%だった。

物価の最大の押し下げ要因である石油価格はこのところ上昇基調にある。エコノミストはこれを踏まえ、前年同月比のインフレ率が下半期から大幅な上昇に転じると予想。政策金融機関KfWのチーフエコノミストはロイター通信に「年末から年始にかけては約2%まで回復する」との見方を示した。欧州中央銀行(ECB)は年率2%程度のインフレ率を適正水準としている。

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