ランスタッド―独フリーランス派遣会社を買収―

総合人材サービス大手の蘭ランスタット(ディーメン)は14日、フリーランス派遣のプラットフォームを運営するドイツの新興企業ツゥワゴ(twago)を買収すると発表した。主力業務である古典的な人材派遣は先行きに懸念があるため、今後の成長が見込めるフリーランス派遣事業を強化する。出資比率や買収金額は明らかにしていない。

ツゥワゴは2009年の設立で、ベルリンに本社を置く。同社に登録するフリーランサーは50万人を超え、欧州最大という。ランスタットは2014年7月、自社ファンドを通してツゥワゴに資本参加していた。

工場などに派遣社員を送り込む古典的な人材派遣業務はモノのインターネット(IoT)の進展を受けて今後、需要が縮小する可能性が高い。また、ランスタットの主要市場であるドイツでは政府が派遣規制強化に乗り出しており、被用者派遣のメリットはこれまでに比べ薄れる見通しだ。

一方、フリーランス派遣ではITなどの分野を中心に需要拡大が見込まれていることから、ランスタットは今回の買収に踏み切った。

ランスタットはIT分野に特化したフリーランサーの派遣子会社グルプ(Gulp)をドイツですでに展開している。このためツゥワゴとグルプは競合する懸念があるものの、ランスタットの広報担当者は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、グルプが長期プロジェクト向けの派遣を手がけるのに対し、ツゥワゴは個々の受注向けの派遣を行うと述べ、棲み分けができているとの見方を示した。

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