排ガスから化学品生産、プロジェクトに補助金

独鉄鋼大手ティッセンクルップは27日、製鉄所の排ガスから有用な化学品を生産する同社主導の技術開発プロジェクトが連邦教育・研究省から補助金6,000万ユーロ強を受給すると発表した。「カーボン2ケム(Carbon2Chem)」と命名された同プロジェクトにはバイエル(化学)、BASF(同)、シーメンス(電機)といったメーカーやマックスプランク化学転換研究所などが参加。商業利用の実現を目指している。

製鉄で発生する排ガスの中には一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)の形で炭素が含まれる。窒素や水素も有用な含有成分だ。製鉄所では現在、排ガスを燃やして電力と熱を獲得しているものの、最終的には有害物質が大気中に放出される。

ティッセンクルップはこうした状況を改める目的でカーボン2ケムを立ち上げた。デュースブルクにある同社製鉄所の隣接地で今秋から実用化に向けた試験を開始する。

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