ロシアの航空貨物大手ヴォルガ・ドニエプル・グループと米ボーイングとの間で行われている総額40億ドルに上る大型貨物機の購入に関する交渉が大詰めを迎えている。ブルームバーグが20日、関係筋の情報として伝えたもので、ボーイングはヴォルガ社および子会社のエアブリッジ・カーゴと10機以上の大型貨物機「747-8」の受注交渉を行っている模様だ。ヴォルガ社の幹部はブルームバーグに対し、昨年ボーイングと約束した20機を購入する計画だと述べたが、ボーイングはコメントを拒否した。一部関係者によると、来月英国で開かれるファーンボロー航空ショーで合意が明らかにされる見通し。
航空会社間の競争激化や不安定な原油価格の動きを反映し、ボーイング「747」やエアバス「SE A380」など大型機に対する需要は減少している。航空各社は長距離輸送の主力をより経済的なボーイング「777」のような双発機に移している。
747に対する5月の受注残数は22機に留まった。ボーイングは大型機の受注減を補うため、より小型な商用機の受注や新たな販路の拡大を図っている。現在、イランのイランエアーから100機の中型機を含む受注契約の獲得を目指しているところだ。
ボルガ・ドニエプルは既に昨年11月、他社が発注したがキャンセルされた747-8型機を2機受け取っている。