ハンガリー製薬最大手のゲデオン・リヒターは30日、バイオシミラー(バイオ後続品)の開発を専門に手掛けるスイスのフィノックスを買収したと発表した。欧州市場での地位を強化する戦略の一環。不妊治療薬に実績のある同社の獲得により、中核事業の婦人薬を強化する。取引額は1億9,000万スイスフラン(約1億9,400万ドル)。
リヒターは今回の取引でフィノックスの不妊治療薬「BEMFOLA」の販売ライセンスも取得した。同治療薬は排卵誘発剤「r-FSH」のバイオシミラーで、欧州連合(EU)の欧州委員会から2014年5月に販売承認を受けた。現在、EU加盟国やイスラエル、中東、オーストラリアなど20カ国以上で販売されている。
フィノックスは2007年の創業で、欧州11カ国と米国、オーストラリアに事業拠点を持つ。薬効が高く患者負担の少ない不妊治療薬を低コストで開発することを目標に掲げている。