チェコのセキュリティソフト大手アバスト(Avast)は7日、蘭同業AVGテクノロジーズを13億米ドルで買収することで合意したと発表した。オンラインセキュリティやウイルス対策ソフト市場での地位を強化する考えで、「モノのインターネット(IoT)」の進展で高まる需要を取り込むことも視野に入れている。アバストのヴィンス・ステックラー社長は「AVGの獲得により我々はより幅広い分野に対応できるようになり、技術も高度化できる」と述べた。
AVGを1株当たり現金25ドルで買収する。これは前日終値を33%上回る水準で、過去6カ月間の加重平均株価に比べても32%高い。
両社は1991年、ともにチェコで設立された。アバストはプラハの本社のほかドイツ、米国、中国に拠点を持つ。日本語対応の無料セキュリティソフトも提供しており、ユーザー数は2億3,000万人に上る。AVGは現在アムステルダムに本社を構え、世界9カ国14カ所の拠点で約1,800人を雇用している。同社のセキュリティサービスの利用者は約2億人。