ウィンコール製ATMにハッカー攻撃、台湾で200万ユーロ不正 引き出し

台湾の大手銀・第一銀行は12日、同行の現金自動預け払い機(ATM)から現金7000万台湾元(約200万ユーロ)が不正に引き出されたことを明らかにした。犯人は独ウィンコール・ニックスドルフ製のATMをマウルウエアに感染させたうえで犯行を行ったとみられており、同行を含む台湾の3銀行は同社製ATMの使用を停止した。

犯行は9日と10日に行われた。犯人は3人で、1人が逃走用の車で待機。残り2人が台北と台中にある第一銀のATM計34台から現金を不正に引き出した。犯人はATMを操作せずに現金を引き出しており、マウルウエアが使われたとみられる。メディア報道によると、犯人のうち1人はロシアに逃走した。

台湾の金融監督機関によると、同国では計21の銀行がウィンコール・ニックスドルフ製のATMを合わせて約5,000台、利用している。第一銀は計300台で、すでに利用を停止。彰化銀行と中華郵政も同様の措置を取っている。

ウィンコール・ニックスドルフは独メディアの問い合わせに、銀行、警察、セキュリティ専門家と共同でハッカー攻撃の詳細を調査していることを明らかにしたものの、それ以上の情報については捜査中であるため現時点で公表できないと回答した。ドイツで使われている同社製ATMについては「その大部分でセキュリティが強化されており、台湾で行われたような攻撃はほぼ排除できる」との見方を示した。

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