英国のジョンソン新外相が18日、ブリュッセルで開かれたEU外相理事会に出席し、外交舞台に初登場した。国民投票でEU離脱派の中心人物だった同外相だが、今後もEUとの緊密な関係を維持する意向を表明するなど穏当な発言に終始し、無難なデビューとなった。
ジョンソン外相は1990年代に英有力紙デイリー・テレグラフのブリュッセル特派員を務め、EUに批判的な記事を発信したことで知られる。英国のEU離脱の是非を問う国民投票では離脱派を主導し、欧州統合の深化を目指すEUを「ヒトラーのようだ」と批判し、物議をかもした。
しかし、今回の外相理ではEU離脱問題が議題とならなかったこともあって、こうした強硬な発言は一切なかった。逆に記者団に対して「英国は国民の意思を尊重してEUから離脱するが、欧州から離れるわけではない」と述べ、離脱後もEUと協力関係を維持していく姿勢を示した。
ただ、EUではジョンソン外相への風当たりは強く、17日に予定されていた新外相歓迎の非公式晩餐会は一部の加盟国の反対で取りやめとなった。