ランクセス―営業益見通し引き上げ―

化学大手の独ランクセス(ケルン)は10日の決算発表で2016年12月期の利益見通しを上方修正した。同社は業績が悪化した合成ゴム部門を4月1日付でサウジアラムコとの折半出資会社へと転換。手元に残した事業の今後の見通しが良好なことから、営業利益(EBITDA、特別要因を除く)を従来予測の9億~9億5,000万ユーロから9億3,000万~9億7,000万ユーロへと引き上げた。上方修正は5月に続いて2度目。

16年4-6月期(第2四半期)のEBITDA(同)は2億9,300万ユーロで、前年同期を8.5%上回った。手元に残した諸事業が好調だった。

純利益は13.8%減の7,500万ユーロに縮小した。比較対象の15年第2四半期は非流動資産の売却で水準が押し上げられており、その反動が出た格好。

売上高も7.7%減の19億4,300万ユーロに後退した。石油安を受けて原料価格が低下したため販売価格を引き下げたことが反映された。

同社は4月1日、合成ゴム事業の合弁会社化に伴いサウジアラムコから同事業の資本50%の売却益およそ12億ユーロを取得した。売却益を債務の圧縮に投じたため、6月末時点の有利子債務は1億9,800万ユーロとなり、昨年末の約12億ユーロから大幅に減少した。

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