ロシアで18日行われた下院選挙(定数:450)は、プーチン大統領の与党・統一ロシアが105議席増の343議席を獲得し、憲法改正に必要な3分の2の議席を確保した。プーチン大統領は圧勝の結果に「国民が政治体制の安定を求めている証」と自信を深めている。
中央選管が19日、開票率93.1%の時点で発表した速報によると、統一ロシアの得票率は54.3%と2011年の前回選挙を5ポイント近く上回った。このほか、5%の阻止条項をクリアしたのは共産党(13.5%)、自由民主党(13.2%)、公正ロシア(6.17%)の3党にとどまった。一方、投票率は12.7ポイント減の47.5%に激減した。
今回から再び、議席の半分(225議席)が議員を直接選ぶ小選挙区制となったことが有利に働き、統一ロシアは議席数を急速に伸ばした。共産党は50減の42議席、公正ロシアは25減の39議席、自民党は33減の23議席だった。このほか、「祖国」と「市民プラットフォーム」が各1議席を得た。
2011年は選挙後に不正に抗議する市民運動が盛り上がった。このため、ロシア政府は今回、「クリーンな選挙」を印象付けるため、欧州安全保障協力機構(OSCE)の監視団受入れや、選管委員長に人権活動家を指名するなどの措置をとった。
それでも、なりすまし投票や、大量の投票用紙が一度に投票箱に投げ込まれる様子を映した映像がネットで公開されるなど、不正報告は300件に上った。ただし、以前とは異なり、中央選管は即時調査する方針を明らかにしている。
なお、2014年にロシアへ編入されたクリミア半島でも投票が行われた。これにはウクライナ政府が正式に抗議している。