スコットランド、英独立の住民投票法案を発表へ

スコットランド自治政府のスタージョン首相は13日、自身が党首を務めるスコットランド民族党(SNP)の党大会で、スコットランドのEU残留に向けて、英国からの独立を問う住民投票を再実施するための関連法案を自治政府議会で近く発表する意向を表明した。

スコットランドは2014年に独立の是非を問う住民投票を実施したものの、僅差で否決した経緯がある。再度の住民投票実施には英議会の承認も必要となるが、スタージョン首相は英国の国民投票でEU離脱が決まったことで状況が変わったため、再実施する権利があると主張。関連法案を「来週に公表する」と述べた。また、英国がEUを離脱する前に住民投票を実施する構えも示した。

英政府はEUとの離脱交渉で、移民を制限する権利の確保を最優先する方針を掲げており、域内の人の自由な移動を重視するEUと対立するのは必至。EU単一市場へのアクセスなどを失う“ハード・ブレグジット(強硬離脱)”の形での離脱を余儀なくされる可能性が高い。

スタージョン首相はハード・ブレグジットとなった場合、スコットランドも雇用、投資などで悪影響を受けるとして、英から独立してEUにとどまる道を模索する必要があると指摘。英政府が独立を回避したければ、自治権拡大を認め、スコットランドがEUからの移民を引き続き受け入れることで単一市場へのアクセスなどを維持できるようにしなければならないと述べた。

EU離脱の是非を問う6月の英国民投票では55%が離脱に賛成したが、スコットランドでは残留派が62%と多数を占めた。このため、英国の道連れにされ、経済的な損失をこうむることへの警戒感が強い。スタージョン首相は“ハード・ブレグジット”回避に向けて、SNPが54議席を持つ英議会で他の野党に連携を呼びかけ、英政府に離脱交渉での妥協を促す方針も示した。

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