独2社によるセメックスのクロアチア事業買収、欧州委が疑義

欧州委員会は10日、セメント大手のセメックス(メキシコ)が独2社にクロアチア子会社のセメックス・クロアチアを売却する計画について、初期審査での承認を見送り、本格調査を実施すると発表した。

セメックスは昨年8月、セメックス・クロアチアを独セメント大手ハイデルベルグセメントと同業シュベンクが共同出資するハンガリーのドゥナ・ドラバ・セメント(DDC)に売却することで合意していた。

これについて欧州委は、セメックス・クロアチアが国内セメント最大手で、DDCがクロアチア最大のセメント輸入事業者であることから、両社が競合関係にあり、DDCによる買収には競争上の問題があると判断。特に同国のグレイ・セメント市場で健全な競争が損なわれ、価格が跳ね上がる恐れがあるとして、本格的な調査を開始することを決めた。

欧州委は来年2月23日までに調査を終え、同買収の可否を最終判断する。

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