昭和電工(東京都港区)は10月20日、ドイツの炭素・黒鉛製品メーカーであるSGLカーボンから黒鉛電極事業(SGL GEホールディング)を買収すると発表した。全株式を取得する。取引価格は総額156億円。両社は同日、株式売買契約を締結しており、競争当局の認可を経て取引は成立する。黒鉛電極の生産能力(2015年時点)において、昭和電工は世界3位、SGLカーボンは世界2位につけている。
黒鉛電極業界は、需要低迷と競争激化により厳しい市場環境に置かれており、年約1%の低成長が続くと見られている。昭和電工はこのような厳しい状況の中、両社の統合により、物流・サプライチェーンの効率化や、原料調達における購買力の強化などにより、コスト競争力を強化する。また、これまではアジア、米国から黒鉛電極を供給してきたが、今後は欧州を含むグローバルな事業展開により、黒鉛電極事業の世界的地位を強化する。
SGLカーボンは2015年7月に黒鉛電極事業を展開するパフォーマンス・プロダクツ(PP)部門の分離を決定し、2016年6月にPP部門の分社化および組織再編を完了した。
SGL GEホールディングの従業員数は約900人。ドイツ、オーストリア、スペイン、アメリカ(2拠点)、マレーシアの5カ国に6工場を持つ。