ドイツのミュンへン工科大学(TUM)が国内のパートナーやアフリカ諸国と協力して開発している電気自動車。アフリカのインフラ整備が行き届いていない人里離れた場所での輸送手段の確保を目指しており、太陽光発電による電力で走行することができる。
このような電気自動車の開発により、地方における自律した生活を支援し、人口の都市への移動を防ぐ狙いがある。
開発中の車両は2人乗りで、ピックアップトラックのようなデザイン。道路が整備されていないオフロードでも走行することができる。全長3.7メートル、幅1.5メートル、高さ2.1メートルで、車両重量は800キログラム、積載重量は1トン。
8キロワット(kW)の電気モーター2基と20キロワット時(kWh)車載電池を搭載する。航続距離は最大80キロメートルで、最高速度は時速50キロメートル。
後部の部品交換により、旅客輸送にも貨物輸送にも使用できるモジュール構造とした。追加モジュールは購入やレンタルにより、様々な用途に対応できる車両の開発を目指している。例えば、工作機械として使用したり、充電した電力を他の機器に供給することもできるようにする。
同プロジェクトでは、この電気自動車の現地生産を目指している。価格は1万ユーロ以下に抑える計画。このため、ミュンヘン工科大学の車両技術、成形技術・鋳造学、産業デザインなど様々な分野が協力している。車両コンセプトの開発では、ナイジェリア、ガーナ、ケニア、タンザニアの学術パートナーと協力して開発した。
同プロジェクトでは、今春に最初のプロトタイプを発表した。現在、様々な部品を試験中で、2017年春に2番目のプロトタイプを製造する計画。プロジェクトの成果は2017年9月に開催されるフランクフルト国際モーターショー(IAA)で発表する予定という。