化学大手の独BASFは10月31日、一部の製品について供給契約の不可抗力条項(フォースマジュール)を発動すると発表した。ルートヴィヒスハーフェン本社工場で17日に起きた爆発・火災事故の影響で生産量と在庫がともに大きく減少しているため。同条項の発動期間がいつまで続くかは現時点で不明だとしている。
フォースマジュールの対象となるのはルートヴィヒスハーフェンと西タラゴナ工場で生産するアクリルモノマーベースの分散体と分散体パウダー、ホットメルト接着剤。具体的にはAcronal、acResin、Acrodur、ACROSOL E 20 D、AQAGloss、Basonal、Col.9、Epotal、Luhydranの製品名を挙げている。
BASFは同事故でパイプラインが損傷したことから、生産施設に原料を供給できなくなり、ナフサから様々な化学原料を製造するスチームクラッカー2基で操業を停止。これを受け川下の生産施設も稼働停止に陥った。現在はスチームクラッカー1基を含む数施設で生産を再開しているものの、復旧には程遠い状況だ。