みずほ銀と三井住友銀、ガスプロムに8億ユーロ融資

みずほ銀行と三井住友銀行(SMBC)がロシア国営ガス会社のガスプロムに対し8億ユーロを融資する準備を進めている。プーチン大統領が訪日する今月15〜16日の契約調印を目指す。米JPモルガン・チェースも融資参加を検討しているもようだ。ロイター通信が5日、消息筋の情報として伝えた。

これは、安倍首相が平和条約締結に向けてロシアとの経済協力強化を進めているのと軌を一にするものだ。国際協力銀行(JIBC)はすでに先月、ロシア天然ガス2位のノバテクと2億ユーロの融資契約を締結する予定であることを発表した。このほかにも、三井住友銀、日本貿易保険(NEXI)と共同で、アルファ銀行に融資する方向という。

日本とロシアは、第二次世界大戦末期にソ連(当時)が占領した択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島(北方領土)の領有権をめぐり対立を続けており、いまだに平和条約を結んでいない。安倍首相は、医療技術からエネルギーに至る広範な分野で日本の対ロシア投資を促進することで、北方領土問題の解決に向けたプロセスを進める意向だ。

一方で、プーチン大統領は訪日を前に「数十年にわたる課題を一回の首脳会議で解決することはできない」と過大な期待をけん制している。

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