アサヒグループホールディングスは13日、ビール世界最大手アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ、本社ベルギー)の東欧5カ国の事業を買収すると発表した。買収額は73億ユーロ(約8,883億円)で、日本企業による海外でのビール事業買収としては過去最大規模となる。
買収対象となるのは、ABインベブが買収した英SABミラーがチェコ、ポーランド、ハンガリー、スロバキア、ルーマニアで展開する事業と、ブランドの知的所有権など関連資産。取得するブランドには、チェコのビール市場で最大のシェアを持つ「ピルスナー・ウルケル」が含まれる。
ABインベブは昨年11月、ビール世界2位のSABミラーを710億ポンドで買収することで合意。EUなどの競争当局の認可を取り付けるため事業売却に乗り出し、SABミラーが西欧で展開する「ペローニ」(イタリア)、「グロルシュ」(オランダ)、「ミーンタイム」(英国)の3ブランドと、これらのブランドを製造販売する伊、オランダ、英国の事業会社をアサヒに25億5,000万ユーロで売却していた。
SABミラーの東欧事業をめぐっては、ABインベブが実施した入札にスイスやチェコ、中国の投資会社なども参加したが、アサヒが最高額を提示し、落札した。買収実現にはEUの承認が必要となる。来年上期の買収手続き完了を見込んでいる。