キプロス最大手銀行のキプロス銀行は5日、金融危機に際して同国中央銀行から受けた114億ユーロの融資の返済を完了したと発表した。経営再建が進んでいることから、予定より約1年前倒しで完済にこぎ着けた。
キプロス政府は2013年、金融危機に対応するため、EUと国際通貨基金(IMF)から最大100億ユーロの支援を受けることで合意。これを活用し、中央銀行を通じてキプロス銀に「緊急流動性支援(ELA)」と呼ばれる資金繰り支援の枠組みに基づいて114億ユーロを融資した。同行は支援の条件として、10万ユーロを超える大口預金者の預金額を47.5%削減することなどを受け入れた。
その後にキプロス銀は資産売却、増資といった再建策を進め、経営が安定化し、15年に黒字に転換。昨年11月にはロンドン証券取引所(LSE)に上場する計画を発表していた。