被用者は一日の勤務時間の終了後、少なくとも11時間は勤務することができない。これは労働時間法(ArbZG)5条1項に記されたルール(勤務間インターバル規制)である。このルールをめぐる係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が18日の判決(訴訟番号:7 AZR 224/15)で判断を示したので、ここで取り上げてみる。
裁判は金属・電機業界に属する企業で事業所委員(Betriebsrat)を務める社員が同社を相手取って起こしたもの。
同社は3交替のシフト勤務体制を取っており、原告社員は2013年7月16日22時~17日6時(8時間)、翌17日22時~18日6時(同)の勤務を割り当てられていた。17日には13時から15時30分にかけて事業所委員会の会議があったことから、16日22時に始まったシフト労働を早期に打ち切った。そうしないと11時間の勤務間インターバル規制に抵触するからである。
被告企業はこれを受け、原告の労働時間口座に追加する同日分の貯蓄時間を8時間とせず6時間としたことから、原告はこれを不当として提訴した。
下級審のハム州労働裁判所は原告勝訴を言い渡し、最終審のBAGも同様の判断を示した。判決理由でBAGの裁判官は、事業所委員は任務を遂行するうえで必要な場合、給与の引き下げなしに勤務を免除されるとした事業所体制法(BetrVG)37条2項の規定を指摘。原告は16日22時にスタートしたシフト勤務を早期に打ち切らなければ勤務間インターバル規制に抵触していたとして、労働時間口座に追加する時間を削減したのは不当だとの判断を示した。
勤務時間の終了後(前)に行われる事業所委員会の活動が11時間の就労禁止時間帯に当たる場合、雇用主はこれを考慮して事業所委員の勤務時間を調整しなければならない。