ボッシュ―IoTなどで開発費増加、営業減益に―

自動車部品大手の独ボッシュ(シュツットガルト)が1月27日発表した2016年12月期暫定決算の営業利益(EBIT、特別要因を除く)は前期比6.5%減の43億ユーロへと落ち込んだ。為替差損や組織再編のほか、研究開発費の増加が響いた格好。売上高は3.5%増の731億ユーロで、売上高営業利益率は前期の6.5%から5.8%へと落ち込んだ。

研究開発費は3.3%増の66億ユーロへと拡大した。モノのインターネット(IoT)と電気自動車(EV)分野でコストが膨らんだことが背景にある。同社はIoT分野で世界を主導する企業になろうとしている。

EV分野のコストが膨らんだのはフォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題や環境規制の強化を受けて自動車メーカーが環境対応車の開発を加速しているためだ。競合コンチネンタルも自動車メーカーによるEV開発強化を受けて研究開発費が増加し、営業利益率が低下した。

ボッシュの売上高を部門別でみると、主力の自動車部品は5.5%増の440億ユーロと好調だった。家電などの消費財も2.8%増加。産業技術は5.1%減と振るわなかった。

地域別ではアジア太平洋が8.1%増の208億ユーロと大きく伸び、足元の欧州も3.4%増の386億ユーロへと拡大した。北米(メキシコを含む)は2.0%減の124億ユーロへと落ち込んだ。

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