独工作機械工業会(VDW)は2日、独業界の2016年の生産高(部品・付属品を含む)が前年比約1%増の152億ユーロとなり、過去最高を更新したと発表した。国内向けがけん引車となった。輸出高は全体の2割を占める中国向けが不振だったことから、3%減の約91億ユーロへと縮小した。生産高に占める輸出の割合は66%だった。
部品・付属品を除いた生産高は112億5,000万ユーロで、中国(165億ユーロ)、日本(114億ユーロ)に次ぐ世界3位だった。
輸出高(部品・付属品を除く)は76億ユーロに達し、日本を抜いて世界1位となった。日本はアジア市場低迷の直撃を受けて20%強減の63億ユーロへと落ち込んだ。
今年は独業界の生産高で3%の増加を見込んでいる。世界の工業生産と工作機械需要が良好に推移するとみられるうえ、独業界の昨年の受注も好調だったためだ。大型プロジェクトと自動車関連のプロジェクトがけん引車になると予想している。
1月20日に就任した米国のトランプ大統領が外国製品に高額関税を課すなど保護主義的な政策方針を示していることに関しては、ドイツ製工作機械は影響を受けないとの見方を示した。米国製工作機械は全般的に品質・性能が低く、ドイツ製機械を投入しないと米国製造業の競争力は低下するとの予想だ。仮に高額関税が課されても米国メーカーは今後もドイツ製機械を購入せざるを得ず、関税コストは川下のメーカーや消費者に転嫁されるとみているもよう。