中国の複合企業、中国中信グループの通信子会社である中信国際電訊(CITICテレコム)は2日、オランダのITサービス企業リンクステレコムから欧州、ロシア、中央アジアの通信事業を買収する手続きが完了したと発表した。政府が推進する新シルクロード構想「一帯一路」に沿うもので、同地域における市場地位を一気に強化する。
買収対象となるのは欧州、ロシア、中央アジア14カ国の拠点・事業で、バルト海の通信ケーブルと、モスクワ、タリンのデータセンターを含む。バルト海ケーブルは全長470キロでスウェーデン、フィンランド、エストニアを毎秒120ギガビットで結ぶ。また、タリンのデータセンターは、エストニア最大のインターネットエクスチェンジ(IX)「TLLIX」を運営している。
リンクステレコムは2015年にデータセンター・クラウド事業に集中する戦略に転換し、電気通信事業の売却を決めた。売却益でロシアとポーランドの事業を強化する計画だ。