ボッシュ―パワートレイン事業を新部門に統合―

自動車部品大手の独ボッシュ(シュツットガルト)は7日、パワートレイン事業の統合計画を発表した。電気自動車(EV)などの今後の普及拡大をにらんだ措置で、顧客ニーズや市場の変化に柔軟かつ速やかに対応できるようにする考えだ。パワートレインを一手に手がける部門「パワートレイン・ソリューションズ」を2018年1月に立ち上げる。

パワートレインは動力を車輪に伝える動力伝達装置。従来の車両ではエンジンで動力が作り出されていたが、EVではエンジンの代わりにモーターが使われ、ハイブリッド車(HV)ではエンジンとモーターが併用される。このためエンジン車とEV、HVではパワートレインの構造や仕組みが大きく異なる。

EVとHVは増加傾向にあり、ボッシュは2025年の世界生産台数が約2,000万台に達すると予想している。その一方で、ガソリン車とディーゼル車も合わせて約8,500万台を占め、新車市場で最大のシェアを保つ見通しだ。

ボッシュは最終的にEV、HVなどの電気駆動車が主流になると予想しているものの、その時期がいつであるのかが分からないことから、エンジン車、EV、HV向けのパワートレインを一手に提供。顧客ニーズにきめ細かく対応できるようにして、市場がどう変化しても大きな影響を受けないようにする。

パワートレイン・ソリューションズは世界25カ国に60カ所以上の拠点を持つ巨大部門となる見通しで、従業員数は8万8,000人に達する。エレクトロモビリティと商用車分野で大きな成長の可能性があるとみている。ガソリン乗用車とディーゼル乗用車では燃費の改善に照準を合わせて技術開発を進める考えだ。

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