ユニリーバが戦略見直しに着手、企業価値を高めて買収防衛

英蘭系の食品・日用品大手ユニリーバは22日、株主価値を高めるため事業戦略の見直しに着手したと発表した。同社に対しては、米食品大手クラフト・ハインツが今月17日に1,430億ドルの買収案を提示したが、ユニリーバがこれを拒否。クラフトは2日後の19日に買収提案を撤回している。事業再編を通じて企業価値を高め、再び買収の標的になるのを防ぐ狙いがある。

ユニリーバは声明で「先週の出来事はユニリーバの価値をより迅速に捉える必要があることを浮き彫りにした」と表明。4月上旬までに事業の見直しを完了し、結果を公表する方針を示している。

パーソナルケア製品の「ダヴ」や「リプトン」紅茶などの有力ブランドを持つユニリーバは、グループ全体の成長を支えてきた新興国での業績鈍化や、英国のEU離脱決定を受けたポンド下落に伴う国内での生産コストの上昇などで収益が悪化している。同社は利益率の低い食品事業を縮小して日用品事業に軸足を移しており、ブルームバーグ通信は事情に詳しい関係者の話として、パーソナルケア事業と食品事業の分離や、過去に分離を検討したことがあるスプレッド食品(マーガリンなどパンの塗りもの)事業の売却などが選択肢になっていると報じている。

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