ネスレがリンツ工場閉鎖へ、需要低迷で140年の歴史に幕

スイスの食品大手ネスレのオーストリア法人は7日、同国北部リンツにある生産拠点を2018年3月までに閉鎖すると発表した。消費者の嗜好や食習慣の変化に伴う需要の低迷に対応するため、140年の歴史を持つリンツ工場を閉鎖して経営の合理化を進める。

オーストリアの首都ウィーンの西180キロに位置するリンツ工場は、ネスレ・オーストリアの設立(1879年)と同時に操業を開始した。現在は従業員127人を擁し、業務用の食品を中心に年間6,000トンを生産している。

ネスレ・オーストリアのファベーロ最高経営責任者(CEO)は声明で、リンツ工場の従業員にとって「受け入れ可能な解決策」を見出すため、労組や従業員の代表との協議を開始したと説明。「影響を受けるすべての従業員がそれぞれ解決策を見つけるための時間を確保するため、早い段階で決定を公表した」と述べた。

ネスレ・オーストリアはウィーン本社を含めて国内16カ所に拠点を置き、従業員は約1,000人に上る。

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