米半導体大手のインテルは13日、カメラベースの先進運転支援システム技術を開発するイスラエルのモービルアイを買収すると発表した。両社のノウハウの統合により、今後大きな市場成長が期待されるコネクテッドカーや自動運転向け製品の開発を強化する。提示価格は10日の終値に34%のプレミアムを上乗せした1株当たり63.54ドルで、買収価格は総額で153億ドルとなる。買収手続きは年内に完了する見通し。
独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ』によると、モービルアイの従業員数は約660人で、売上高は2015年が2億4,100万ユーロ、2016年は3億5,800万ユーロと急速に成長している。BMW、アウディ、フォード、ゼネラルモーターズなどの世界の自動車大手を顧客に持つ。モービルアイによると、同社のシステムはすでに世界で約1,600万台の車両に搭載されているという。
インテルは特に、ノートパソコンやデスクトップパソコンなどPC向けのマイクロプロセッサーを強みとしていたが、PC市場の停滞を受け、大型コンピューター向けサーバーなど、新市場の開拓に注力している。
独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、両社は将来、研究開発事業の統合により、年1億7,500万ドルのコスト削減効果を得られると見込んでいる。
インテル、モービルアイ、独高級車大手BMWの3社は昨年7月、自動運転車の開発で協力すると発表した。2021年までに高度自動運転および完全自動運転システムを採用したモデルを量産化する計画であり、2017年下半期には自動運転車の公道実証試験を開始する予定。インテルとモービルアイの最新技術を搭載したBMW「7シリーズ」約40台を世界で試験走行する計画で、まずは、米国と欧州で開始する予定。