ドイツの連邦経済省が支援する高度・完全自動運転技術のデータ通信・分析に関する共同研究プロジェクト。車載カメラやセンサーが収集したデータと道路照明灯などの交通インフラに設置したセンサーが収集したデータを組み合わせ、より正確な交通情報をリアルタイムでデジタル地図に反映するシステムの構築を目指す。
プロジェクトの実施期間は3年で、独自動車部品大手のボッシュが調整役を務める。このほか、ドイツのウルム大学、デュースブルク・エッセン大学、フィンランド通信機器大手のノキア、独自動車大手のダイムラー、独照明大手のオスラム、オランダのデジタル地図サービス大手トムトム、独ソフトウエア開発会社のITデザイナーが参加している。ウルム市はアソシエイトパートナーとしてプロジェクトに協力している。
同プロジェクトでは、自動運転車の車載カメラやレーダーセンサーだけでは十分に周囲の交通情報を把握できない恐れがあるとの考えから、交通インフラに設置したセンサーなどの情報を加えることで高度・完全自動運転車の安全性の向上を目指す。
その際、さまざまな交通インフラに設置したセンサーのデータを可能な限り迅速に統合し、交通情報として伝達する、低遅延のデータ統合・通信が課題となる。
同プロジェクトでは、移動通信網にローカルサーバーとして、ノキアのマルチアクセス・エッジ・コンピューティング(MEC)サーバーを組み込み、ローカルで交通情報を分析し、より正確な交通情報をデジタル地図に反映させるシステムの研究・開発に取り組む。
プロジェクトチームは、ウルム市の交差点で道路照明灯にセンサーを設置し、プロトタイプシステムの実証試験を行う計画。