3月のユーロ圏インフレ率は1.5%、伸び率が大幅に縮小

EU統計局ユーロスタットが3月31日発表した同月のユーロ圏のインフレ率(速報値)は前年同月比1.5%となり、上げ幅は前月の2%から大きく縮小した。ユーロ圏では消費者物価の回復が進んできたが、ここにきて伸びが鈍化してきた。

分野別の伸び率はエネルギーが7.3%、工業製品が0.2%、サービスが1%。価格変動が激しいエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いた基礎インフレ率は0.7%で、前月の0.9%から0.2ポイント縮小した。

ユーロ圏では低迷していた原油価格の持ち直しを受けて、インフレ率が昨年9月から6カ月連続で前月を上回り、2月は欧州中央銀行(ECB)が目標とする「2%をわずかに下回る水準」に到達。ECBによる量的金融緩和、超低金利政策の見直しが取り沙汰されている。

しかし、ECBのドラギ総裁は3月19日に開いた定例政策理事会後の記者会見で、「基調が上向いていると確信できる兆しはない」と述べ、当面は現行の金融政策の維持が妥当との考えを示していた。3月の伸び率縮小は、ドラギ総裁の見通しが正しかったことを裏付ける格好となった。

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