ドイツ連邦陸運局(KBA)が4月4日発表した2017年3月の国内乗用車新車登録は35万9,683台となり、前年同月に比べ11.4%増加した。前年の3月は営業日が2日少なかったことが大幅な増加の背景にある。1~3月の累計は、前年同期比6.7%増の84万4,684台だった。
3月の新車登録をカテゴリー別に見ると、顧客別では、個人向けが前年同月比13.3%増、法人向けも10.4%増加した。
ブランド別では、ドイツ勢は、ポルシェ(30.5%増)、オペル(18.3%増)、MINI(18.1%増)、フォード(15.7%増)、メルセデスベンツ(14.0%増)が2ケタの増加だった。最大手のフォルクスワーゲンは0.6%増の小幅の伸びにとどまった。アウディ(2.3%減)はドイツ勢で唯一、販売を落とした。
国外ブランドでは、テスラ(150.9%増)、ジャガー(91.3%増)、ランドローバー(35.4%増)、アルファロメオ(89.9%増)、ダチア(50.7%増)が大幅に伸びた。シュコダは0.6%減少したものの、市場シェアは5.2%と国外ブランドとして首位の座を堅持した。
日本勢は、レクサス(50.6%増)、トヨタ(37.3%増)、三菱自(27.0%増)が大幅な2ケタ増となり、マツダ(6.6%増)、日産(4.5%増)も前年同月を上回った。ホンダ(23.3%減)、スバル(5.9%減)、スズキ(1.9%減)は振るわなかった。
■ ディーゼル車が減少、規制の議論が影響
燃料別では、ガソリン車が21.8%増(市場シェア:56.5%)と大幅に伸びた一方、ディーゼル車は2.8%減少(市場シェア:40.6%)した。
独自動車工業会(VDA)のマティアス・ヴィスマン会長はディーゼル車の減少について、「ディーゼル車に対する通行制限をめぐる議論が明らかに新車販売においてもドライバーに不安を与えている」と指摘。欧州連合(EU)の排ガス規制「ユーロ6」をクリアした最新のディーゼル車はクリーンで燃費も良い、と説明するとともに、(ディーゼル車は)欧州の二酸化炭素(CO2)目標を達成するためにも不可欠だ、と擁護した。
電気自動車は2,191台(98.5%増、市場シェア:0.6%)となり、ハイブリッド車も7,479台(84.9%増、市場シェア:2.1%増)に増加した。うち、プラグインハイブリッド車は2,288台(77.4%増、市場シェア:0.6%)だった。
液化石油ガス(LPG)車は382台(33.1%増、市場シェア:0.1%)、天然ガス車は169台(40.3%減、市場シェア:0.0%)だった。
■ 国内生産・輸出、大幅に増加
独自動車工業会(VDA)によると、営業日数の影響で、3月の国内受注は前年同月に比べ13%増と大幅に伸びた。1~3月の累計では3%の増加だった。国外受注は3月が2%増、1~3月の累計でも1%の増加にとどまった。
輸出は3月が前年同月比9%増の43万800台、1~3月では前年同期比4%増の115万6,200台だった。国内生産も3月が7%増の55万7,800台に拡大。1~3月の累計では2%増の150万4,700台となった。