独自動車保険最大手のHUKコーブルクが新規事業の開拓に意欲を示している。自動運転車やコネクテッドカーの今後の普及に伴い、保険料収入の減少や異業種企業との競争が予想されるためだ。同社のクラウスユルゲン・ハイトマン取締役(自動車保険担当)は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、「自動車メーカーは今日、巨大な銀行でもある。わが社もこれと同様に、新たな事業分野に進出していきたい」と述べた。
自動運転車が今後、普及していくと、交通事故が減少すると予想される。この結果、保険料収入が縮小することから、新たな事業分野の開拓が緊急の課題となっている。運転アシストシステム搭載車の増加で事故はすでに減少。完全自動運転車が登場すると、さらに低下する見通しだ。
同社はすでに昨秋、デュッセルドルフに中古車販売のアンテナショップ「HUKアウトヴェルト」を開設し、新事業に参入した。これまでに約200台を販売したという。
今後はさらに、スマホアプリを通した駐車・給油サービスなども提供していく。これにより顧客との接点を維持。車両事故が起きた際の修理の委託先を、自動通報機能を通してメーカーが決めるといった事態を回避し、自らの主導権を保つ考えだ。