中国のタイヤメーカー、山東玲瓏輪胎(リンロンタイヤ)が欧州での工場建設を計画している。チェコのムラダー・フロンタ・ドネス紙が先ごろ報じたところによると、同社が関心を示しているのはチェコとスロバキアで、工場の雇用規模は1,500人。投資額は2億5,000万ドルとなる見通し。
建設候補地には、チェコでは東部のオストラヴァ・モスノフ工業団地が挙がっている。一方、スロバキアの候補地は4カ所。同国では失業率の高い地域における投資助成金がチェコよりも多い。それに対し、チェコでは国からの支援措置が課税免除、雇用促進奨励金や継続教育という形で行われることが不利な条件となっている。チェコ政府は2014年初めに228億コルナ(8億4,300万ユーロ)をかけて1,000人規模の工場を建設した韓国のネクセンタイヤに対し、38億コルナを助成している。
チェコの議会関係者はここ数年、将来的な高付加価値分野への投資助成を求めている。一方、労働者の間では給与の引き上げを求める声が大きい。同国の月間平均給与は1,000ユーロに満たず、多くの地域ではさらに低いものにとどまっている。タイヤ工場の労働者の給与は概して低水準だ。
スウェーデンの工業用ポリマー製品大手トレルボルグ傘下のチェコのタイヤメーカー、ミタスでは労働組合が無期限ストライキに入っている。組合は現在の月額平均給与2万3,000コルナ(約850ユーロ)の引き上げを求めている。(1CZK=4.37JPY)