オランダ化学大手のアクゾノーベルは19日、特殊化学部門を1年以内に分離する方針を明らかにした。米同業PPGインダストリーズが株式公開買い付け(TOB)を打診していることから、独立を維持するために一部の株主から要求されていた特殊化学部門の切り離しを実施する。また、総額16億ユーロの配当も行い、株主の支持を取りつける考えだ。
アクゾは3月、PPGから総額220億ユーロでの買収を提案されたが、拒否したと発表。PPGはその後、買い取り価格を引き上げたものの、アクゾは買収が実現すれば競争上の問題から一部事業の売却を迫られるうえ、人員削減も行われるとして受け入れ拒否の姿勢を保っている。
アクゾの特殊化学部門は売上高が48億ユーロで、同社売上の3分の1を占める。一部の株主は株価を高めるために同部門の放出を要求しており、経営陣は以前から検討を行っていた。今後は新規株式公開(IPO)または他社への売却を実施することになる。