安倍晋三首相は4月28日、ロンドンで英国のメイ首相と会談した。両首脳は世界的に保護主義が台頭する中、日英が中心となって自由貿易を推進していくことで一致した。英国のEU離脱に関して安倍首相は、「円滑な離脱」が世界経済にとって重要との認識を示し、現地の日系企業への影響を最小限に抑えるよう配慮を求めた。また、北朝鮮の核・ミサイル問題をめぐり、双方が緊密に連携する方針も確認した。
安倍首相は会談後の共同記者発表で「英国は普遍的な価値を共有するパートナーであり、EU離脱後も信頼は揺るがない」と強調。英国が円滑な離脱に向け、透明性や予測可能性の確保に努めている点を評価したうえで、日系企業の活動に配慮を求めたことを明らかにした。
安倍首相はまた、「日本、欧州、米国は引き続き自由貿易の旗を高く掲げなければならない」と述べ、保護主義の拡大に対抗するうえで、日本とEUの経済連携協定(EPA)が極めて重要なメッセージになると指摘。会談では英国のEU離脱を念頭に、日英間の自由貿易協定(FTA)交渉の可能性についても話し合われたが、首相はまずEUとの間でEPAの早期妥結を目指す考えを示し、英側に協力を求めた。
一方、メイ首相は北朝鮮問題について「新たな段階の脅威になっているとの認識で一致した」と説明。「国際的なパートナーと連携して北朝鮮に圧力を加え続けていかなければならない」と述べた。