独総合医療大手のフレゼニウスは4月24日、後発医薬品子会社フレゼニウス・カービが米同業エイコーンと独製薬大手メルクのバイオシミラー(バイオ医薬品の後発薬)事業を買収することで合意したと発表した。カービが長期的な成長を可能とする基盤を整えるのが狙い。メルクからの事業取得により、カービはバイオシミラー事業に参入することになる。
エイコーンは株式公開買い付け(TOB)を通じて買収する。1株当たりの買い取り価格は33ドルで、買収額は43億ドルに上る。このほか4億5,000万ドルに上る債務を引き受けるため、買収総額は47億5,000万ドルに達する。エイコーンは米国の小規模病院・薬局向け事業に強い。
メルクとの取引ではまず1億7,000万ユーロを支払い、製品開発の進捗に応じて最大5億ユーロを上乗せする。メルクがこれまで開発してきた製品は共同開発へと切り替えられ、メルクは製品が市場投入された場合、売り上げの10%未満をカービから受け取る。カービは2022年までに、買収金額を含めてバイオシミラーの開発に最大14億ユーロを投じる。
メルクは3月、バイオシミラー事業の売却計画を明らかにした。製薬分野の経営資源を特許薬に絞り込む考えだ。