イタリア政府は2日、経営難に陥っている同国航空大手アリタリア航空の要請を受けて、同社を管理下に置くことを決めた。アリタリアの経営改善計画が従業員の反対でとん挫し、自主再建の道が閉ざされたためで、同社は今後、政府の管理下で破綻処理を進めることになる。
アリタリアは格安航空会社との競争激化などで業績が悪化しており、2016年には4億6,000万ユーロの最終赤字を計上した。これを受けて3月に、人員の大幅削減を柱とする経営再建策を発表。その実施によって、筆頭株主であるアラブ首長国連邦(UAE)のエティハド航空など株主から追加出資を受け、資金繰りを改善させる方針だった。
しかし、従業員が4月24日に同計画に反対し、追加出資を受けることができなくなり、資金繰りに行き詰まったことから自主再建を断念。政府の管理下で破綻処理を進めることを決めた。
政府はアリタリアを国有化しない方針を固めているため、今後は他社への売却などによる再建の可能性を探る。これが無理な場合は、同社は清算に追い込まれることになる。
政府は6カ月をかけて同手続きを進める。同期間中にアリタリアが営業を継続できるようにするため、6億ユーロのつなぎ融資を提供することを決めた。