独自動車大手のオペルが今春の発売を予定していた電気自動車「アンペラe」の納車が大幅に遅れるもようだ。ドイツのディーラーでは、納車の見通しが立たないため、受注を断っている状況という。独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ』(日曜版、14日付)が報じた。「アンペラe」の発売時期はすでに、当初予定の今春から6月に延期されたが、さらに今秋に先送りになるとの憶測も浮上している。
同紙の取材によると、ドイツでは国内のオペル・ディーラー2,400社のうち、44社に約400台を納車するとされていたが、当該数値は誤りで、計100台が44社に試乗車として納車され、その後は大口法人顧客に優先的に販売する予定という。個人顧客は優先順位が低く、ディーラーの中には個人顧客への納車は2018年末か2019年初めになる可能性があるとみているところもある。
このような納車遅れは、オペルの親会社であるゼネラルモーターズ(GM)が、「アンペラe」の姉妹車であるシボレーブランドの電気自動車「ボルト」の生産を優先しているためとされている。『フランクフルターアルゲマイネ』紙によると、「ボルト」は2016年12月の発売から米国で約5,000台が販売された。
さらに、GMは欧州域内でも、政府が電気駆動車に手厚い助成措置を実施しているノルウェーへの「アンペラe」の輸出を優先しているため、ドイツで納車遅れが深刻化しているという。
なお、GMの欧州子会社であるオペル/ボクソールは仏自動車大手PSAグループへの売却が決まっている。