金融危機で公的救済された英大手銀行ロイズ・バンキング・グループは17日、英政府が保有していた同行の全株式を売却したと発表した。これによってロイズは完全民営化され、政府の管理下から脱した。
英政府は2008年、リーマンショックに伴う金融危機で経営が悪化したロイズに、203億ポンドの公的資金を注入して救済。同行の株式43%を取得して国有化した。しかし、ロイズの経営が合理化などによって改善に向かったことから、13年から段階的に持ち株を売却していた。
英政府はすべての保有株売却によって注入した公的資金を回収したほか、株式配当を含めて8億9,400万ポンドに上る利益が出た。
政府は金融危機に際して、ロイズやロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)など5行に対して、総額1,370億ポンドを注入して国有化した。完全民営化はロイズが初めて。これまでに株式売却で回収したのは注入額の約半分にとどまっており、RBSについては現在も株式の73%を保有している。