スロベニア車部品ツィモス、伊TCHコジェメによる買収手続き完了

金融危機で経営難に陥り、国有化されたスロベニアの自動車部品メーカー、ツィモス(Cimos)の売却手続きが18日、完了した。新株主は伊投資会社パラディオ・ホールディング・グループ傘下のTCHコジェメで、昨秋の契約通り、株式92%の対価として10万ユーロを支払うほか、1億1,000万ユーロの債務を引き受ける。また、8,330万ユーロをツィモスに投資する。

TCHコジェメはすでにツィモスに1,830万ユーロの資金を注入した。これらは運転資金および相対の銀行借入金の返済に充てる。月末までに残る債務の大半を履行し、その後、さらに1,500万ユーロをツィモスに注入する。また、これ以外に今後3年で総額5,000万ユーロを投資する。

ツィモスの民営化は今年2月、債務履行に関するクロアチア預金保険機構(DAB)との交渉が行き詰まり、TCHコジェメが一旦、買収を取りやめると発表していた。しかし、報道によるとTCHとツィモスの大口顧客である米ハネウェル・ターボ・テクノロジーズが交渉再開をうながしたため、今回の取引完了に至ったもようだ。

ツィモスはスロベニア南西部の港町コペルに本拠を置き、ターボコンプレッサーやタービンハウジング、パワートレイン部品、車台・ボディ部品を手がける。スロベニアのほか、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビアに工場を持つ。

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