半導体製造装置の有力メーカーである独アイクストロンSE(ヘルツォーゲンラート)は25日、米子会社(アイクストロンInc)がメモリーチップ製造装置事業を韓国同業ユージーン・テクノロジーズ(Eugene Technology)に売却することで合意したと発表した。アイクストロンは経営悪化を受けて事業の絞り込みを推し進めており、その一環で今回の取引を行った。同子会社は今後、販売・サービスのほか、ディスプレーを特殊な膜で覆うことで劣化を防ぐ薄膜封止(TFE)分野に経営資源を絞り込む。
取引金額は4,500万~5,500万ドルとなる見通し。在庫など取引対象の資産の時価を譲渡時に確定して最終的な取引価格を決定する。
同社は売却手続きが米国の対米外国投資委員会(CFIUS)を含む当局の審査を経て下半期に完了すると見込んでいる。ただ、CFIUSは昨年、アイクストロンが中国の投資会社・福建芯片投資基金(FGC)に身売りする取引を承認しないようオバマ大統領(当時)に勧告。オバマ大統領はこれを受け、同取引に拒否権を発動した経緯がある。