独自動車メーカーの米国生産、7年で4倍に

独自動車工業会(VDA)のマティアス・ヴィスマン会長は26日、独自動車メーカーの米国生産台数が2009年の21万4,000台から昨年は4倍の85万4,000台へと増加したことを明らかにした。「協働と開かれた市場、自由貿易と直接投資はメダルの表と裏の関係にあり、大西洋の両側で人々に豊かさと仕事をもたらす」と述べており、保護主義的な政策方針を掲げる米国のトランプ政権をけん制する狙いがある。独サプライヤーが米国に持つ事業拠点の数も過去20年間で3倍の265カ所に拡大したと強調している。

米国のトランプ大統領は1月、独高級車大手のBMWが計画通りメキシコに工場を建設すれば同地から米国に輸出する車両に35%の税金を課す考えを明らかにした。ヴィスマン会長はこうした発言を念頭に、独メーカーが昨年、米国で生産した車両の62%は輸出用だったことを指摘。独メーカーの米工場で働く従業員の雇用の半分以上は輸出にかかっていると述べ、保護主義は国内雇用の縮小につながるとの認識を示唆した。

独自動車業界が雇用する米国の従業員は計11万人強で、そのうち3万3,000人を完成車メーカー、7万7,000人をサプライヤーが占める。

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