独高級車大手BMWの一部の工場で、独自動車部品大手ボッシュからの部品供給が滞り、生産を縮小・停止していた問題が解消したもようだ。ボッシュは5月31日、部品供給不足の原因となっていたイタリアのサブサプライヤーの生産が再び正常化した、と明らかにした。BMWでは今回、ドイツのミュンヘン工場とライプチヒ工場、南アフリカのロズリン工場、中国の瀋陽市鉄西区にある工場の4カ所が影響を受けた。
問題となっていたのは、電動ステアリングに使用する部品で、ボッシュに鋳造部品(ハウジング)を供給するイタリアのサブサプライヤーの納品が滞り、ボッシュからBMW工場への電動ステアリングの供給量が落ち込んでいた。
減産・生産停止に追い込まれたのは、BMW「1シリーズ」、「2シリーズ」、「3シリーズ」、「4シリーズ」で、ミュンヘン工場では「3シリーズ」と「4シリーズ」、ライプチヒ工場では「1シリーズ」と「2シリーズ」、中国と南アフリカの工場では「3シリーズ」を生産している。
BMW傘下の小型車ブランドMINIやBMWのSUVモデル「Xシリーズ」、大型モデルの「5シリーズ」、「6シリーズ」、「7シリーズ」は影響を受けなかった。
ミュンヘン工場では、「3シリーズ」の生産で5月23~24日に部品不足が発生した。一時的な対応策として、生産シフトを減産体制に変更したほか、在庫や交換用部品を調達し、生産を継続したが、部品は大幅に不足していた。ライプチヒ工場では5月30日に「1シリーズ」と「2シリーズ」の生産を再開したが、南アフリカと中国の工場では今週いっぱい生産を停止する見通しであったため、ロズリン工場では、秋に計画していたラインのメンテナンスを前倒しで実施した。