VW傘下のモイア、フィンランドのソフトウエア会社を買収

独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)・グループは2日、モビリティサービス子会社のモイア(MOIA)がフィンランドのソフトウエア会社スプリット・フィンランドを買収したと発表した。同社を完全子会社とし、モイアが計画するオンディマンド交通サービスに必要なソフトウエアの開発を加速する。

メディア報道などによると、モイアはバスを使用したシャトルサービスを導入する計画とみられている。乗客のニーズに合わせて運行するオンディマンド方式で、目的地が同じ方向の人が共同で車両を利用する移動サービス(ライド・プーリング)になるもよう。

スプリット・フィンランドは、フィンランド南部のエスポーに本社を置く。今後は、社名をモイア・フィンランドに変更し、モイアが提供する「ライド・プーリング」コンセプトを制御するためのアルゴリズムを開発する。

スプリット・フィンランドは2011年にスタートアップ企業Ajelo Finlandとして創業した。ヘルシンキで2015年まで交通当局が運用していたライド・プーリング・コンセプト「Kutsuplus」のソフトウエアを開発した実績がある。

「Kutsuplus」は、ミニバスを使用した移動サービスで、乗客がアプリに出発点、目的地、希望時刻を入力すると、システムが乗車の時刻や最適なルートを計算して随時運行するシステムだった。

2014年には米スプリットが同社を買収し、ワシントンで実施するライド・プーリング・コンセプトに同社のソフトウエアを活用した。

VWは2016年12月にモビリティサービスの新ブランド「モイア」を発表し、2017年1月から営業を開始した。現在、ベルリンとハンブルクに従業員約50人を抱え、ライド・プーリングのソフト開発と実用化に取り組んでいる。

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