独高級車大手のBMWグループはドイツのミュンヘン工場で5月31日、2億ユーロ以上を投資して新設した塗装施設の本格操業を開始した。新しい塗装施設は、ミュンヘン工場の近代化に総額約7億ユーロを投資する将来戦略の一環に位置付けられる。この将来投資には、組み立てや車体製造ラインの拡張なども含まれる。新しい塗装施設には、BMWグループの他の工場ですでに導入されているIPP(統合塗装処理)技術を導入した。
IPPでは従来の下塗り工程や塗装膜形成工程が不要となる代わりに、「ウェット・オン・ウェット」工程による2層のベースコートを塗装する。第1層のベースコートが石はねによる塗装剥がれ防止などの下塗りの役割を担い、第2のベースコートが色、効果、深みなどといった視覚的特性を持つ。この2層のベースコートの上に、光沢を保ち、耐化学薬品性やひっかき傷防止などに対応する上塗り仕上げ塗料(トップコート)を塗装する。
新しい塗装施設には自動化技術の電気工学、メカトロニクスやプロセス工学のエンジニア、アプリケーション技術や品質保証の専門家など従業員約700人が勤務する。