英駆動系自動車部品大手のGKNドライブラインは1日、イタリア北部にあるブルーニコ工場で、ハイブリッド車や電気自動車(EV)に使用される電気駆動システム「eドライブ」の生産能力を大幅に増強すると発表した。今回の拡張工事は、電気トルク制御ユニットなど全輪駆動技術の製品の増産にも寄与するという。プロジェクトは2019年までに完了する予定で、同工場で生産するeドライブ製品は10種類に増える見通し。
今回のプロジェクトでは、ブルーニコ工場の生産面積を現在の1万1,000平方メートルから60%増やして1万8,000平方メートルに拡大するほか、他のドライブライン製品を欧州域内の工場に移管して、eドライブの生産を強化する。また、現在、等速ジョイント(CVJ)を生産している従業員70~80人をeドライブ部門に配置転換する予定。
GKNはブルーニコ工場のほか、日本でもeドライブを生産している。2018年には中国でもGKNと華域汽車系統(HASCO)との合弁会社である上海GKNドライブシャフト(SDS)がeドライブシステムの生産を開始する予定。
ブルーニコ工場は1960年代の開設で、現在は従業員約800人が勤務している。今回のプロジェクトが完了すると、同工場で生産するeドライブ製品は、ボルボのプラグイン・ハイブリッド車に採用されている「eAxle(eアクセル)」や、BMWのプラグイン・ハイブリッドスポーツカー「i8」に採用されている2速トランスミッション(tow-speed eAxle)など、10種類に増える見通し。