グーグルに過去最高額の制裁か、欧州委が近く最終判断へ

欧州委員会は米グーグルの比較ショッピングサービスがEU競争法に違反しているとして、近く同社に対して巨額の制裁金を科すもようだ。欧米メディアが16日、複数の関係者の話として報じた。7月にも最終判断が示される見通しで、制裁金額は2009年に米半導体大手インテルが支払いを命じられた10億6,000万ユーロを超え、過去最高となる可能性がある。

欧州委はグーグルが検索結果ページで自社サービスを優先的に表示する一方、競合企業サイトの表示順位を意図的に下げているとの申し立てを受け、2010年に本格調査を開始した。グーグルは制裁を回避するため、検索結果で競合企業のロゴやリンク先のサイトを目立たせるなどの改善策を提示し、和解間近と報じられたこともあった。しかし、欧州委はグーグルが検索サービスにおける独占的地位を乱用し、検索結果ページで自社の商品価格比較サイト「グーグルショッピング」を優先的に表示することで競合するサービスを不利な立場に置き、結果的に消費者の選択を狭めているとの見解をまとめ、15年4月に異議告知書を送付していた。

EU競争法に違反した企業に対する制裁金は、世界における年間売上高の10%が上限となっている。16年のグーグルの総売上高は約902億ドル。このため、同社に科される制裁金はインテルを上回り、過去最高となる公算が大きい。なお、米マイクロソフトはパソコン用基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」と音楽・映像再生ソフトのセット販売が競争法違反と認定され、総額20億ユーロ以上を支払っているが、是正措置の不履行に対する追加制裁が大部分を占めている。

上部へスクロール