バイエル―中国研究機関と協力、小麦の収穫量拡大目指し―

農業化学大手の独バイエル(レバークーゼン)は14日、上海生命科学研究院(SIBS)と2年間の協力契約を締結したと発表した。小麦の収穫量を引き上げることが目的で、相互の知見の交換や効率的な光合成モデルの作成を通して実現していく。

作物栽培では現在、収穫量を可能な限り引き上げるために栽培密度を極めて高くする傾向が強まっている。この結果、作物の下部の葉に十分な量の太陽光が届かないという問題が起きている。下部の葉にも太陽が十分に当たれば光合成が改善して収穫量が増加することから、バイエルとSIBSは植物体の分枝のしかたや形である植物アーキテクチャー(plant architecture)の改良を通してこの問題の解決を図る考えだ。

世界の耕地面積に限りがあるなかで人口は急速に増えていることから、単位面積当たりの収穫量の拡大は大きな課題となっている。特に人類の摂取エネルギーの約20%を占める小麦で収穫性を引き上げることの意義は大きい。

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