スペイン大手銀バンキア、BMN買収で合意

スペイン4位銀行のバンキアは6月27日、中堅銀行バンコ・マレノストルム(BMN)を買収することで合意したと発表した。両行は公的資金注入で救済され、国有化された銀行。スペイン政府は業績が好転しているバンキアがBMNとの統合によって事業基盤を拡大し、さらなる成長を遂げることで、公的資金を回収したい考えだ。

バンキアは株式交換方式でBMNを買収する。買収額は8億2,500万ユーロ。年内の買収手続き完了を見込む。

両行は2008年にスペインの不動産バブルが崩壊し、業績が悪化。2012年に金融危機で経営不安が深刻化し、バンキアは220億ユーロ、BMNは16億5,000万ユーロの公的資金の注入を受けて救済された。現在はスペインの銀行再編基金(FROB)がバンキアに67%、BMNに65%を出資している。FROBは統合で誕生する新生バンキアの株式66.6%を保有する。

スペインでは金融危機で金融システムが大きく揺れた。業界では銀行の統合によって体力を強化し、金融システムを安定化させたい政府の意向に沿って再編が進んでおり、6月初めに最大手銀行バンコ・サンタンデールがバンコ・ポピュラールを1ユーロで買収することが決まったばかり。08年に55行体制だった銀行は13行まで集約された。バンキアとBMNの統合により、金融業界の再編が一段と進む。

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