燃料電池の量産に向けた共同プロジェクト「AutoStack Industrie」発足

独高級車大手のBMWは6月29日、燃料電池の量産に向けた研究開発の共同プロジェクト「AutoStack Industrie」が発足したと発表した。燃料電池セルを積み重ねて製造するスタックの量産化を目指すプロジェクトで、燃料電池車の普及に向け、これまで大部分を手作業で行っていたスタック生産の自動化技術などについて研究する。プロジェクトの実施期間は3年で、予算は約6,000万ユーロ。

プロジェクトには、バーデン・ヴュルテンベルク太陽エネルギー水素研究センター(ZSW)のほか、BMWなど民間企業10社が参加している。また、水素・燃料電池技術に関する国家技術革新プログラム(NIP)の枠組みにおいて、連邦運輸デジタルインフラストラクチャー省(BMVI)が第1フェーズにおいて2,130万ユーロを支援する。

同プロジェクトは、ドイツの自動車産業および燃料電池技術分野における競争力強化や、雇用創出に寄与するもので、ドイツおよび欧州市場における燃料電池車の市場投入・普及に向けて技術的・経済的な基盤を構築する狙いがある。

プロジェクトでは、スタックの技術仕様やプロトタイプの製造、柔軟な生産工程・技術の開発などに取り組む。スタックの出力は10~150kW、寿命は5,500時間以上、生産能力は年3万スタックを想定した生産設備を計画している。

プロジェクトの参加企業・機関(計11パートナー)は以下の通り:

BMW、ダイムラー、ラインツ・ディヒトゥングス(デーナ)、フォード・リサーチ・アンド・イノベーションセンター・アーヘン、フロイデンベルク・パフォーマンス・マテリアルズ、グリナリティ、NuCellSys、パワーセル・スウェーデン、ユミコア、フォルクスワーゲン(VW)、バーデン・ヴュルテンベルク太陽エネルギー水素研究センター(ZSW)

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